2014年12月07日

オープンソースカンファレンス 2014 Fukuoka に行ってきた話

オープンソースカンファレンス 2014 Fukuokaに行ってきた。言わずと知れた、オープンソース・ソフトウェアの一大祭典。展示ありーの、セミナーありーのである。今回は初の二日間開催という話だが、私が行ったのは22日土曜日、2日目の方である。いや社会人に金曜とか無理だろ。業務の一環でこういうのに参加するタイプの企業ならともかく。

セミナーは、複数の物が同時開催され、受講者が好きな物を選ぶ形になる。以下、私が受けたセミナーに関して簡単なメモ。「blogにまとめるまでなんで2週間かかってんだよ」ってのは、うん、まぁ、お察し下さい……

HTML5を活用した業務アプリケーションにおけるこれからのWeb開発

HTML5云々よりも、現在のモダンなweb開発全般に関する話のウェイトが大きかった印象。

現在のwebは以前のそれから変化しているという。以前はサーバーサイドで生成したものをクライアントへ送る物だったが、現在は出来る限りクライアント側で処理するようになってきている。また、webページを構成する技術も、HTMLCSS、JavaScript、及び画像などの外部リソースという単純な話ではなくなってきている。 CSS Preprocessor や、そのフレームワーク(Compassとか)。JSも同じように、AltJSや各種ライブラリが大量に存在する。これらは開発効率の向上をもたらす一方、憶えなければならない事の増加など、面倒な問題も引き起こしているという。

そういった、面倒な開発の基盤を支えてくれる、足場を固める(scaffolding)ツールとしてYEOMANが在る。雛形作成のyo、パッケージマネージャのbower、そしてタスクランナーのgruntから構成される。

MEAN stackについて。MomgoDB、Express、AngularJS、Node.jsの頭文字を取ったもので、ひとつの言語(JavaScript)で全て扱えるという。JSで全て賄えるのが利点との事。確かに、クライアントサイドだけでも(最低でも)HTMLCSS、JavaScriptが必要で、更にサーバーサイド処理の為に全く別の技術を学ばなければならないというのは億劫だ。

マテリアルデザインについて。マテリアルデザインとはUIデザインの検証(結果)で、割と流動的な物らしい。私はデザインについては門外漢で、マテリアルデザインとは Android 5 (Lolipop) のあのデザイン(アイコンとか色使いとか)の事かと思っていたのだが、違うらしい。

AngularJSについて。「ちょうどいい束縛感」という言葉が印象的。AngularJSの決まり事に沿って開発する事で、本当に必要な部分の開発のみに注力できるとか。「決まり事に従って開発する」と聞くと、RoRを思い浮かべるが、似たようなものなのだろうか?

Googleのスクリプトに対するアプローチについて。DartとAtScriptについての紹介があった。Dartは知っていたが、AtScritは初耳。DartがJSを置き換える新言語だとすると、AtScriptは「今在るJS」を拡張していくという、AltJS的なアプローチらしい。AngularJSのバージョン2はAtScriptで開発されている(最中)だとか。

LibreOffice ~コミュニティの最新動向と新バージョン4.3について~

LibreOffice自体のプロモーション的側面が強かった。LibreOfficeとは何かとか、ODFとは?とか。タイトルから、オープンソースコミュニティ運用のアレコレの話が在るかと期待してたんだけどなぁ。

Lessons (to be) Learned from Handling OpenSSL Vulnerabilities

お昼休み終わって1つ目。展示フラフラ見て回った結果、部屋に入るのが遅れて、最初の方聞き逃したのは此処だけの話。

国内のコンピュータセキュリティ監視、解決支援を行っているJPCERT/CC。Heartbleed等、最近深刻な脆弱性が相次ぎ発見されたOpenSSLをサンプルとし、JPCERT/CCがどう動いたかといった話。恥ずかしながら、JPCERT/CCという団体が在る事を今回初めて知った。

脆弱性を見つけたら、IPAまたはJPCERT/CCへと知らせて欲しいとの事。開発者とは勿論、他国の同じようなセキュリティ団体との国際的な調整も行っていると。OpenSSLの例では、この調整機能が使われなかったせいで、脆弱性発見者、JPCERT/CC及び他のセキュリティ団体から同じ脆弱性についての報告が別個にOpenSSL開発者コミュニティになされるという無駄が生じてしまった事が在ったらしい。

OSS開発者に対しては、脆弱性の取り扱い方、好評についてのポリシーを定めておく事を勧めていた。報告の受付先、対応手順の制定、ユーザーが適切な情報を取得できる場所の設定など。セキュリティ問題への前向きな姿勢を示したり、発見者や研究者への謝意を表明する事も大切なのだそうだ。

『さくらのクラウド』ことはじめ~概要編~

すっかりOSCなどでお馴染みの「さくらのクラウド」ですが、「何がどう使えるの?」
という方も多いはず。

はい、正に俺。正直、配布される「さくらのクラウド」2万円無料クーポンチケットに釣られたという面も否定できない。この後、さくらの展示ブースでもチケット貰っちゃったし、何か使ってみるかね。Wordpressでも入れて、blogの移転を考えるとか?

さくらのクラウド、操作用のAPIが用意されており、自分で管理用のプログラム作る事も可能らしい。そこがちょっと意外だった。

OSSはオワコンか~10年間OSSをテーマに活動してきたNPO法人OSSAJの軌跡から考える~

OSSオワコン説の根拠は「OSSに関する論文が減った」「OSSに関する調査が減った」といった辺り。で、結論は「別にオワコン化したわけではなく、あらゆる場所に自然に存在するものに変容した」と。

セミナー中に、「オープンソース・ソフトウェア」だけでなく、「オープンソフトウェア」(仕様がオープン)、「オープンデータ」、「オープンストリートマップ」、そして「フリーソフトウェア」(無償のソフトの意味のアレではなく、GNUとかが提唱してる方)とか、類似用語が乱舞してた印象。

フリーソフトウェアは、イマイチ共感出来ないんだよなぁ。セミナー中で言われていた、「アイサイトとか中身のプログラムを自分で検証したくない?」ってのは分かるんだけど、それでビジネスになるかというと、かなり怪しくて、それを社会全体に要求する事は、IT技術の進歩の鈍化を招くんじゃないかなぁと私は思っている。自分たちだけでそれをやるんなら別に良いだろうけど。

FirefoxOSで始めるHTML5

基本は Firefox OS の説明。 FxOS を、OSではなく「webプラットフォーム」と呼んでいたのが印象的。同OS用アプリが、HTMLを始めとした(クライアントサイド)web開発技術を用いて開発される為だろう。

FxOSというと、携帯電話のOSというイメージがあったが、 Open Web Board という、FxOS搭載の Rasberry Pi みたいな基盤も在るらしい。これに関連して、IoT(及びWoT)な話も。


今回一寸失敗した事。昼食の場所選び。今回の会場のソフトリサーチパークセンタービル……というか百道周辺は殆ど来ないので、何処で食事が取れるのか全く分からず。結局、同ビルのコメダ珈琲店で取ったんだけど、OSCの受付で渡された資料とかチラシとかの中に周辺の案内が入っていたのに気づいたのは、昼食取り終わってから。受付の時に一言言ってもらえたら嬉しかったかも。いや、前もって調べとけよってのは尤もだし、美味しかったけどさサンドイッチ。

posted by 天井冴太 at 15:37| Comment(0) | TrackBack(0) | Other | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください

この記事へのトラックバック